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2008年7月 8日 (火)

『トリスタンとイゾルデ』070605。。

070605

不思議とは、こういうことを言うのだろう──
昨日『武士の一分』で愛することの素晴らしさに感動したばかりなのに──素敵な作品には何故か、いつも続けてめぐり逢うんだ──

イングランドの騎士・トリスタンと、敵対するアイルランドの王女・イゾルデとの間に生まれた“禁じられた恋”──
後に、それはシェークスピアによって『ロミオとジュリエット』として生まれ変わる。

あの『エイリアン』の巨匠・リドリー・スコットが製作総指揮を手掛けたというだけでも、観ないではいられない作品だった。

『ロミオとジュリエット』のヒントとなった伝説──
それだけでも、けっしてハッピー・エンドにはならないことは理解出来ているのに──
何故か、二人の幸せを願い、気づくと涙が溢れて来ている。

幼少時代のトリスタン、そしてイゾルデが、またたまらなく可愛く──だからこそ、
その二人が9年のときを越えて大人になった姿を眼にしたとき──自然と愛おしさを感じてしまう。
まさに、映像のマジックなんだろう──

『スパイダーマン』のジェームズ・フランコは、もちろん期待通りの熱演を見せてくれるが、
ソフィア・マイルズ演じるイゾルデの、か弱くも凛としたその繊細な表情に──思わず胸が苦しくなるんだ。

今の時代で考えれば──「何故、こうしないんだ?──」と言いたくなる状況はたくさんある。
「僕とイゾルデは、愛し合っているんです!」って許してもらえばって……

でも、おそらく──当時の騎士、そして王家の人間には、本当にそれさえ許されない定めというものがあったのだろう──

生は死よりも尊く、愛は生よりも尊い──二人の心に刻まれた永遠の言葉──
なのに、何故──すべての人が、この世で一番愛している人と結ばれる運命にないのだろう?
叶わないのに、何故──出会い──愛してしまうのだろう?

俺にとって──
60年代に、オリビア・ハッセーを有名にした『ロミオとジュリエット』も、
90年代に、デカプリオが主演した『ロミオ+ジュリエット』も──
素敵な映画であることは認めるけれど、
どちらもシェークスピアの色が濃く、それほど特別な悲恋の作品として心に残っていたわけではなかった。

でも──
この『トリスタンとイゾルデ』は、涙を流した──
けっして、クライマックスのシーンだけではない。
むしろ──それまでの、二人が心に秘めた愛を必死に押し殺そうとする姿に──辛くて、切なくて……

この映画の素晴らしさは──演出の力はもちろんだけれど、
それに見事に応えているすべての役者たちの名演なんだろう──

トリスタンの命の恩人でもあり最も信頼出来る育ての親でもある王も──
イゾルデの禁じられた恋を、とがめながらも優しく見守る乳母も──
その他の役を演じる役者たちすべてが、拍手を贈りたいほどのキャラクターを創り上げてくれているんだ。

シェークスピア作品が苦手な人も、
単なるラブ・ストーリーでは物足りない人も──
きっと、この作品は、夢中になって楽しめ、そして──
今そこにある愛を──これから出会うだろう愛を──大切にしようと心で感じるに違いありません。

★★★★★──2日連続なんて……なんて嬉しいことなんだろう。゚.+:。∩(・ω・)∩゚.+:。

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